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​審査員からの講評
​緊急調査!物体X 審査員:市岡元気先生 講評

【総括】
どの方も僕の想像以上の知識と技術でこの未知の素材に挑んでいて感心しました。本当に僕が触れ合ったことのない素晴らしいレベルの方ばかりで、提出された資料を拝見して僕自身がとても勉強になったというのが正直な感想です。
ここまで自分で考えて実験をすることができる学生がこんなにも多くいるということは5年後10年後の日本の科学の発展は素晴らしい方向に行くのではないかと未来を明るく感じました。
挑戦していただいた皆様お疲れ様でした!機会ありましたらぜひ一緒に実験できれば幸いです!一緒に日本の科学を発展させていきましょう!

<初級レベル>
1. kappaさん
選考理由
・実験が簡潔かつ論理的に実施されていた
・実施する実験に対して明確な目的をもち、それを明記していた
・最初に、化合物が「有機物か、無機物であるか」の確認の実験行っていた
 → 結晶が無機物であると決めつけていない。
   また、確認法が、身近な物質 (小麦粉) を用いた簡便かつ分かり易い実験であった
特に良かった点
・クエン酸を用いた中和の実験を行っていた。また、そのときに吸熱反応も観察できており、クエン酸ナトリウムの生成を細かに観察できていた点
・各実験に対して対照実験を行い、条件制御ができていた。

気になった部分
・物質が炭酸水素ナトリウムである、と仮定した後、その証明となる実験を行っていた。
→ その実験が、少々物足りなく感じた。炭酸水素ナトリウムの熱分解などを行うと完璧であったと考える


2. 九州大学理学部物理学科 宮下直人 さん
選考理由
・定性分析に当たる本実験の計画、実行、その報告に至るまで、終始丁寧に実行できていた
→ 報告書を見ただけで、「再現可能な実験を実行できていた」とわかる
・実験内容が、定性を行うにあたって論理的な設計になっている

特に良かった点
・電気対抗を測定し、電離の度合いを定量的に測定できていた
・「化合物が炭酸水素ナトリウムである」と特定したのち、物質 X を用いてホットケーキを作成していた
→ 炭酸水素ナトリウムの性質を理解してうえで実行している実験であり、遊び心もある

気になった部分
・「有機物か無機物か」の確認、炎色反応による含有金属の確認を行っていれば、完璧な調査となっていたと考える


3. 三重県私立高田高等学校 科学部化学班 のみなさん
選考理由
・定性分析にあたり、王道の実験を丁寧に実行している
・設計した実験が、論理的かつ簡便な実験であった

特に良かった点
・仮説を立て、実験値と理論値を定量的に比較している
 また、理論値と合致していなくてもそれを曖昧にせず、それに対する考察を行っている

気になる点
・論理的に実験を行えているが、その考察および論述が少し物足りなく感じた
・「実験の独創性、革新性」の観点から、少々物足りなさを感じた


[そのほかの方に関しての講評]
・どの方も、論理的に実験を設計していた
→ どの方も質の高い実験を行っており、このレベルの高さには驚いている
・実験に対する熱意がとても伝わってきた
・「紫いもパウダー」を用いた pH の確認を行っている方
→ pH 試験紙ではなく、身近なもので的確な実験を行っていた とても良い発想だったと考える
・仮説を証明する実験で、複数の実験を実施できれば、より良い分析が行えると考える
・実験に対する目的を明確にし、それを軸に報告書をかけると、読み手側にもより伝わりやすくなる

<上級レベル>
1. 静岡大学 古川大樹 さん
選考理由
・論理的かつ丁寧に設計された実験であることはもちろんのこと、各実験に対して対照実験を行っている
→ 基本に忠実かつ丁寧な実験を実行できていた
・論述の部分に隙がなく、論理的で丁寧な考察を行えていた
→ (例) 炎色反応の考察に対して、「Na 以外の金属が入っていない」という考察を行った後、「身近な物質」という観点から、重金属系の存在を除外している。このように、与えられた情報を最大限活用し、論を組み立てていた
・上級レベルの物質に対しても、高価な機器は使用せず、家庭でもできるような簡便な手法で臨んでいた
→ 機器などに頼り切りになるのではなく、持っている知識を活用して工夫の凝らした実験を行う姿勢が、とても素晴らしいと感じた

特に良かった点
・硬貨を用いたキレート生成の実験
→ 身近な物質を使いつつ、独創性にあふれた実験には脱帽した
・本実験の目的である「物質の定性分析」に忠実に実験を行っていた
→ 報告書の最初に ”本レポートでは定量分析ではなく、定性分析であるため、使用した物質の重さは測定していない” という前置きが書かれていた。このように、前提を忘れることなく効率的かつ論理的に実験を行っていた部分が、高く評価するべき点である
・読み手に伝わりやすい報告書の構成であった (プラスアルファの観点)
→ 素晴らしい実験を企画することも大切であるが、それと同時に「自身の論を他者へ伝える能力」も非常に重要であると考える その部分において秀でていた

気になった点
特になし

 

 

 

 


2. 灘高校 化学研究部 のみなさん
選考理由
・対象物の分析という観点から、まったく隙のない完璧な実験を行っていた
・実験の内容およびその論述のレベルがはるかに高く、論文として扱えるほどの域に達していたと感じる

特に良かった点
・各実験に対して明確な目的を立て、その証明および論述が完璧に行われていたこと
・NMR、エバポレーターなど実験機器を用いて、精度の高い定性および定量分析を行っていた

気になる点
・実験のレベルが壮大であるがゆえに、本企画の目的から少々逸脱していると感じた
→ “ヒントに頼ることなく分析を行った” 姿勢は評価するべきである。しかし、その過程における実験はこの企画の規模をはるかに超えており、少々オーバーキルのように感じた。

 

3. 前橋東高校理科部 のみなさん
選考理由
・物質の定性分析として論理的に実験を設計し、王道の実験を丁寧に実行できていた
・独創性のある実験も交えながら多種の実験を行い、様々な観点からその物性を解明していく姿勢が強く感じられた

特に良かった点
・ぶんぶんゴマを用いた遠心分離を行っていた
→ 高価な機器ではなく、身近なものから自作した実験器具を用いており、独創性にあふれた実験である また、その遠心分離も成功しており、的確な実験の設計ができていた
・分離した物質に対してそれぞれ分析を行い、仮説を証明している
→ 物質を溶かした溶液に対する pH 測定結果から、3 種類の物質の物性に関して仮説を立てていた そして、分離後の物質に対しても分析を行うことで、仮説の証明を行いつつ物質の定性にまで論を展開している

気になる点
・考察の展開において、少々物足りなさを感じた
→ 溶解後の反応に対する可能性を見いだせていなかった点、最終的に発生した沈殿に対する考察の証明が少々足りなかったと感じる


[その他の方に関する講評]
・「3 種類の化合物を混合させた物質の定性」という高いレベルのテーマに対し、正確に答えまでたどり着いた方が多くおり、大変驚いている
・同じテーマに対しても、独自の工夫を凝らしながら実験を実施していることがひしひしと伝わってきた

​探究!「もしも言語が一つだったら」審査員:古川敏明先生 講評

 全オン祭が研究・調査部門として設定した問いは,一見,「言語」に関する問いのようです.しかし,実は「世界」や「歴史」という語彙を含む大きな問いでした.また,「統一」が具体的にどのような行為を指すのか特定されていないので,エッセイでは問いが前提とする事柄について論じたり,自分で問いを再設定したりすることも可能でした.自由度が高い反面,難しい問いだったと思います.
 
 応募者の中で,柴田さんは,複数の論点を丁寧に取り上げながら,主張を展開していました.自分の思いつきを並べるだけでなく,いくつも文献を参照している点も優れていました.一方,小野房さんは,言語と音楽の関係に着目し,クラシックの音楽家の創作活動が出身地の民謡から影響を受けていることに言及し,独自の視点を提示できていました.
 
 応募エッセイで目立った主張としては,言語が統一されたら,国の特色が薄れるのではないか,というものがありました.国と言語を一対一の関係で見ているのかもしれません.また,言語が統一されたら,人々が感覚のズレを感じることがなくなるのではないか,という主張もありました.言語が同じなら誤解が生まれないという思い込みがあるのかもしれません.以上のような推測は正しいでしょうか.グローバルな言語としての英語が話されていても,世界各地の特色は消えていませんし,日本語で家族や友だちのように親しい人たちと話しても,すれ違いが起こることは珍しくないでしょう.
 
 一方,応募エッセイで全く話題にならなかったのは,「誰が」「誰の」言語を統一するのかという点でした.今回の問いに含まれていた「統一」するという行為の担い手は誰なのか,どのような組織や集団なのか,具体的にどのように実施されるのか,言語をめぐるトップダウンの政策,あるいは,ボトムアップの活動など,歴史や現代社会からの具体例を挙げた上で,仮定の状態について論じる試みがあっても良かったかもしれません.
 
 いずれにせよ,歯応えのある問いに取り組んだ皆さんには,今後もぜひ言語への興味を大切にして,自分の周りの世界を眺めてほしいと思います.

​探究!「もしも言語が一つだったら」審査員:菊澤律子先生 講評

審査結果とコメント:
最優秀賞(菊澤選考): kt.__.ft さん
「集団の形成」と「技術の拡大」というふたつの側面それぞれについて、言語が一つになることのメリット・デメリットという異なる角度から考察されているのがよいと思いました。また、考察にあたり、言語とそれ以外の社会的要素、言語と人間のものの見方など、言語と他の要素との関わりを視野にいれて考えておられるのが大変よいと思いました。これをきっかけに、「ことば」と「社会」の関係について、さらにいろいろと考えてみてくださいね。

優秀賞(菊澤選考): 柴田海周 さん
「世界の言語が統一された場合」に、思考の均一化が起こるであろうこととその理由、また、思考の均一化が起こった結果、社会にどのような結果に至るかが考察されていてよいと思いました。言語の統一化が現代社会における人々の融和を促進するであろうこと、また、それにも関わらず、マイナスの効果も考え得るという指摘もよいと思いました。これをきっかけに、統一された場合のマイナスの効果がどのように現在の社会におけるプラスになっているのか、もう一歩、踏み込んで考えてみてくださいね。

講評:
「もしも世界の言語が統一されたら歴史はどうなるか」というのは、いろいろな角度からのアプローチが考えられるテーマで、みなさんの作品を楽しく読ませていただきました。
「言語が統一された世界」というのは、異言語コミュニケーションで苦労されている方にとっては、そうなったらいいな、という夢の世界かもしれないし、言語や文化の違いを楽しむ人にとっては、無味乾燥な世界になってしまうかもしれない。ただし、そのような個人的な興味とは別に、「歴史がどうなるか」ということは、言い換えれば、単言語社会と多言語社会において、言語が人間の思考や行動、また対人関係のあり方やコミュニティの内(うち)と外の認識などに、どのような影響があるかを考えることだと思います。
「言語の統一」に関しては、その結果、文明(文化)の発達が止まるのではないか、言語以外の違い(生物学的な見た目の違いなど)に対する認識がより助長されるのではないか、価値観やものの考え方が均一になってしまうのではないか、特定の文化的なジャンルがなくなってしまうのではないか、など、いろいろな考察がありました。いずれもとてもよいポイントだと思います。ただ、ここから、そのことが人間社会にどのような影響を与えるのかに結び付けてゆくのは、なかなか難しいですね。コミュニケーションは楽になるが、価値観が均一になってしまうことが予想されるので歓迎はしない、また、言語からは少し離れて視点から、単一言語社会でも複数の言語が話される社会でも、類似の歴史的なできごとが繰り返されているので、歴史には影響がないのではないか、という意見がありました。これらの意見を客観的に検証するにはどうしたらよいのか、考えてみていただけると、もう一歩、踏み込んだ議論になるかもしれません。
言語は、人類が、地球上に広がるにつれて、行く先々の環境に適応し、コミュニケーションを効率化できるように生物学的に発音器官を変化させながら、長い長い歳月を経て発達させてきたツールです。その結果私達は、現在、地球上に7000言語という、とてもたくさんのツールを手にすることになりました。近年では、AIを活用して翻通訳のためのツールや言語使用や発音を支援装置なども開発されるようになってきています。「多言語」に対する人間の関わり方も、それにつれて、これまでとはまた少し違ったものになるかもしれません。今回の考察を最初の第一歩として、今度は、この7000というツールをどのように活かせば、今後、地球上によい社会を築いてゆくことができるのか、みなさんそれぞれが考え、人類のよりよい将来につなげてくださることを期待します。
「もしも世界の言語が統一されたら歴史はどうなるか」というのは、いろいろな角度からのアプローチが考えられるテーマで、みなさんの作品を楽しく読ませていただきました。
言語は、人類が、地球上に広がるにつれて、行く先々の環境に適応し、コミュニケーションを効率化できるように長い歳月を経て発達させてきたツールです。
今回の考察を最初の第一歩として、言語というツールをどのように活かせば、今後、地球上によい社会を築いてゆくことができるのか、みなさんそれぞれが考え、人類のよりよい将来につなげてくださることを期待します。

​探究!「SDGsの視点を変えてみよう」審査員:青柳仁士先生 講評

​ SDGsにはたくさんの「良いこと」が書かれていますが、それが「本当に世界の現状を変えることに繋がっているのか」という疑問を持つことは、とても大切なことです。 目標を掲げているだけ、または、その目標に向かって努力しているだけで満足してしまいがちな国際社会の弱点に、若い世代が着目することは意味があると思います。    SDGsの本質的な意味とは、「持続不可能になってしまった今の世界を持続可能にするために必要な変化を起こすこと」です。   皆さんと同世代のスウェーデン人のグレタ・トゥーンベリさんは、国連の会議に出てきて、「あなたたち大人がこんな世界にしておいて、私たち若者世代に何とかしろと無責任なことを言うのか!それも、言っているだけで今も何もしていないじゃないか!」と怒りをぶちまけました。   皆さん高校生も、是非もっと怒りの声を上げ、SDGsを一つの機会として、自分たちの住む地球、世界、国というものを自分たちの手でどう作り変えてていくのかを考えてみて欲しいと思います。

​マインクラフトで作ろう、次世代ハウス 審査員:近藤昭さん、SEVENさん 講評

1位 いーえふさん「自然と調和した家」

ヒノキヤさん
一言で外観カッコいいです笑
内観の完成度も一番高い
ウイルス対策だけでなく、ステイホームを充実できる空間提案が素晴らしい
 
SEVENさん
作品の完成度・デザイン性・住居スペースとしてのクォリティが全てにおいてハイレベルです!
またデザイン面だけでなく、コロナ過でも屋内でストレスフリーな生活が送れるような工夫がすごいと思います!
個人的には、テクスチャで使用しているCocricotの使い方が上手くて驚きました!


2位 異世界線のVtuberさん「コロナ対策を突き詰めた家」

ヒノキヤさん
ゲームの中に出てきそうな未来の住宅 海の中に立っていると言う大胆な発想は学生らしい
非現実な建物の中に現実的なコロナ対策が盛り込まれているところが面白い

SEVENさん
独創的なアイディアとデザインが素晴らしいです。
独創的なデザインなのに、色々なコロナ対策が施されているだけでなく、シアタールームや応接室など、住居スペースとしての完成度も高いと思います!
個人的にはコロナ対策に特化されてる所が好きです!


3位  Spa rkyさん「modern style」
SEVENさん
アイスキャナー等のコロナ対策に加えて、外観・内装のデザインが優れているだけでなく
しっかり住居スペースも作りこまれているのがすごい!
おそらくデフォルトのテクスチャで作っていると思いますが、子供部屋の遊び心があるデザインや旗を使ったアイスキャナーのアイディアがすごいです!
さらにこれだけ色々な部屋があるのに、しっかり外装のデザインを整えている所もすごいと思います!


SEVEN賞  Hiroさん「ニーズに合わせた3世帯注文住宅」
住民設定から作りこんで、家を設計している世界観が個人的に気に入ったので選ばせて頂きました!
また外観のデザインも綺麗で、設定に沿って作られた各部屋もすごいんですが、
これらをマイクラのSwich版で作られたということに驚きました!
特に地図を使った畳は、PC以外のマイクラで作るとかなりの時間が必要になるので、
よく取り入れたなと驚いてます!


ヒノキヤ賞 らぁみさん「モダンコントラストハウス」
建築家の設計したようなモダンな外観はクランク型の窓がアクセントになっていて
カッコいい。
自然豊かな郊外でテレワークしたくなる建物です。実際建てられるよえなリアルな点もよい。

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